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執筆者の写真L'escargot Design

印刷で製品写真を実物に近い色で再現するためのシンプルな方法~制作発注入門編(8)



レスカルゴ取扱説明書

昨年からいくつかの展示会に出展して、制作に今まであまり関わりのなかった方からご質問を受けることも多くなりました。詳しくお話ししようとするとケースバイケースなのですが、最近、“デザイナーに仕事を依頼するのが意外と敷居が高い”とか、“制作過程がよくわからなくて躊躇してしまう方も多い”ということをうかがいました。レスカルゴでは慣れていらっしゃらない方にはその都度ご説明していますが、このブログでも何回かに渡って大まかな話をしています。今回は前回の色についての注意点を発展させて、気になる製品写真の色についてお話しします。

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製品以外の、例えばサービスの案内などであれば、全体のバランスで判断することができますが、特に現物を見ずに商品を購入する通販や、色そのものが商品と言っても良い化粧品などのジャンルでは、色を実物の見た目や印象に近づけることはとても重要です。 物の色というのは、同じ色でも光沢の有無や素材など様々な条件によっても見え方が違います。同じ製品の同じ色の面でも光の当たり方や角度で場所によって違う色に見えたりします。それを平面上で再現するのですから、思い通りの色が一回で出るとは限りません。

色をできるだけきちんと再現したい、という場合、一番シンプルで最良の方法は、前回もお話ししたように、信頼できて連携を密に取れる印刷会社に印刷してもらうこと。そのためにも、デザイナーや制作会社に早い段階で相談をしておくことです。紙質などによっても色の出方が変わりますから、色校(試し刷り)も何回か出し直すことをあらかじめ想定して、余裕を持った予算やスケジュールを組んでおきます。

なんだそんなことか、人まかせなの? と思われるかもしれませんが、ここは現場の力を頼るのが一番。最後の工程次第で色の出方も変わることを考えると、現場とのすり合せを早めにするのは理にかなっています。

[関連記事]あなたの見ている色とデザイナーの見ている色は違うかもしれません。 気をつけたいのは、現場での助けとなるような材料をきちんと提供すること。製品の色はわかりやすいものであればカラーチップなどで指定しても良いのですが、微妙な色合いのものなどは製品そのものを印刷の際の色見本として、デザイナーや印刷会社に渡すのが確実です。また、以前印刷したなかで実物に近いものがあれば、それを色見本としてつけるのもおすすめです。 但し、印刷再現には限界もあり、特に再現しにくい色というのもあります。そういう場合には費用はかかるものの再現性の高い特殊な印刷もあります。ご希望の場合は早い段階で相談されると良いでしょう。

色にこだわるのであれば、制作会社やデザイナーだけでなく、印刷会社まで含めた連携が不可欠です。


以前制作したヘアカラーのカラーチャート。髪の毛に染色した状態を撮影し、カラーチャートとして見せるもので、それぞれの色の再現性ももちろん重要なうえ、同じ色の枠内でも陰影があり、濃淡があり、どこを取るかで印象が変わってしまいます。これは印刷会社に毛束見本を全部渡して合わせてもらい、色校での微調整を重ねました。

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詳しくはご希望のデザイナーや制作会社、または印刷会社に個々にお尋ねになってみてください。ご依頼の際に少しでも参考になれば幸いです。 こんな感じで、少しずつお話ししていますので、良かったらまたご覧になってください。ブログ更新はFacebookページでもお知らせしています。 レスカルゴデザインオフィス Facebookページ (ページへの「いいね!」で、更新情報をタイムラインでご覧いただけます) ----- [関連記事] 制作料金=サイズ(面積)ではないというお話   そのチラシ、誰にどこで配りますか?  資料をご用意いただく時のちょっとしたヒント。

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