新型コロナウイルス関連ニュース。英語の用語がわかりにくいとか、会見の中での英語が多すぎるとか、そんな声もよく聞かれます。 ネット、SNSで簡単に世界中とつながることができるようになった今、広告の世界でも英語の扱いは昔と変わってきたように思います。今までの経験から英語をデザインの素材として頻繁に使っていた頃のことや、その効果について少し考えてみました。
かつては英語がなんとなく格好よかった
バブルのあとしばらくくらいまででしょうか。ちょっとしたアイキャッチに英語が多用されていたように思います。今でも、キャッチコピーやタイトルなどに簡単な英単語を使用することはありますが、少し意味合いは違うように感じています。
当時使われていたのは辞書を引かなくてもパッとわかるような英語が主で、ほとんどが装飾の意味合い。折り込みチラシでも服や宝飾品などがよく見えるようにと、スラッとした外国人モデルの採用が好まれ、会社案内には壮大な地球の写真を使うのが流行っていた頃。海外のイメージは一般的にとても好まれていたように思います。
英語が身近になった今、英語にすれば格好良いとも限らない
現在の状況はさておき、近年海外からの観光客も増加しました。長く日本に住み、働いている人もたくさんいます。駅などの表示も他言語となり、英語、その他の外国語もかなり身近になりました。
そうなると英語(外国語)を使うのには、少しばかり注意が必要になります。まずは基本として意味が間違っていないか、ちぐはぐでないか。外国人だけでなく、接する機会も増えて話せる日本人も増えているでしょうから、おかしな点はすぐにわかってしまいます。
意味はあっていても、少し陳腐になってしまったりすることもあるかもしれません。英語だからといって無条件に格好良い時代は終わり、日本語を使ったほうが今時の感じが出せることも多く、安易に使うのは避けたほうが良いように感じています。
漢字、ひらがな、カタカナ、英語(アルファベット)
……文字だけで様々なバリエーションがある日本のデザイン
日本のデザインの少し特殊な側面。日本語には漢字、ひらがな、カタカナがあります。それに加えて簡単な英単語ならわりと普通に理解します。
つまり文字として扱う種類が多い。
日本語だけをとっても、同じ言葉をカタカナ、ひらがな、漢字と表現を変えるとイメージが変わります。これはとても面白い点。
ここへ英語も加えてうまく使い分けることで、全体のイメージを左右し、頭に入って来やすい順番を考えて、視線をコントロールすることさえ可能かもしれません。
装飾的に配置されたキャッチコピーの英語は、意味を伝えることとデザイン的な役割を持ち合わせて、便利な存在とも言えます。でもそれと同時に、種類の多さはごちゃごちゃする要因でもあります。
海外でも漢字が装飾的に使われることがあるから同じじゃないか、とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。でもその日本語の意味までわかる人は圧倒的に少ないはず。
いろいろな文字を意味とデザインの両方で取り入れられる日本のデザインはユニークと言えるのではないでしょうか。 読むことを意識した英語に
インバウンド需要のためか、ここ数年、日本語のパンフレットに英語の説明を加えたり、英語版の短冊をつくって日本語版に足したり。そういうご依頼も特別なことではなくなりました。今まで国内向けのお仕事ばかりだったお客様からの日本語を含まない数カ国語のポスターの案件もありました。
在日外国人も増え、英語を話す日本人も増え、情報に国境がなくなってきた今、これまでなんとなく飾りで入れていた英語も、意識して使う必要を感じています。
※このコラムは、2020年1月23日掲載「マイベストプロ東京」藤原ユカコラムより加筆修正して移行しました。
レスカルゴデザインオフィス 藤原ユカはデザインや販促の専門家として専門家派遣事業に登録しています。業務案内やパンフレットをつくりたい、新商品のパッケージをつくりたい、ロゴを考えたいなどのほか、ご希望に応じて、複数のツールの使い分けやSNSの導入など、総合的なアドバイスも合わせてさせていただきます。通常のご依頼のほか、こちらもぜひご利用ください。
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