すっかり書くのが遅くなってしまいましたが、しばらく前に「サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法展」へ行ってきました。
レイモン・サヴィニャックはフランスを代表するポスター作家。練馬区立美術館の企画は見応えのあるものが多いのですが、今回は特に題材が「ポスター」とあってデザイナーとして、大いに刺激を受けてきました。
手元でじっくり見るものと違って、ポスターは通常、情報やテーマをどれだけ削ぎ落せるかが勝負。言いたいことはたくさんあっても、割り切りが必要になるため、多くの場合、盛り沢山の要素との闘いになります。もちろん、条件も状況も違うので、いつも最低限の要素で良いかと言うとそうとも限らないと思いますが、シンプルで力強いサビニャックのポスターはポスターの理想型とも言えます。
今回の展示はフランス・パリのフォルネー図書館のコレクションを中心にしたもの。私は2001年、フォルネー図書館で回顧展を開催中にちょうどパリに滞在中で、知り合いに勧められてそちらも観ていました。その時にも図録を買っていたので、改めて並べてみると、日本ではやはり明るめでかわいい感じが好まれる傾向にあるのがわかりやすいですね。
フランスの図録は図版メインで日本版より多くの作品が掲載されています。対して、日本版は図版こそ少なめなものの、解説がとても充実していて(しかも当たり前だけど日本語!)、読んでいたら、フランスと日本では、そもそもポスターの位置づけが違うのかも、という気もしてきました。サビニャックのポスターは、古い美しい街並に突如現れたポンピドーセンターみたいな感じだったのかも。。。
休日は外におかれていました。
美術館では顔ハメ看板やエントランスの装飾などもいろいろ凝っていて、さらにグッズも充実。楽しい展覧会でした。
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