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執筆者の写真L'escargot Design

低予算で出展する地元の見本市。展示ブースのつくり方4つのポイント



国際展示場のような大きな会場と比べて出展料も安く、比較的気軽に出展できる地元の見本市。先日レスカルゴが出展した見本市でも、地元企業に混じって個人事業主の方のブースもたくさん並んでいました。


どんな会場でもしっかり装飾できれば一番ですが、来場者層が限られるイベントで費用対効果を考えていくと、ローカルなイベントにはそれほど予算はかけられない企業・事業者の方も多いと思います。そもそも低予算で出られるから出展するという方も多いはず。


今回はデザインのことは少し脇に置いておいて、自分でも何度か出展している経験をもとに私が考えるブースづくりの最低限のポイントをお話ししたいと思います。


1.何をしている企業なのか一目でわかるように文字で示す


これはローカルに限らず、大きな展示会でも基本です。


ですが、地域という括り自体がテーマの地元の見本市は、来場者も実に様々。また、製造業も、サービス業も、BtoBも、BtoCも、展示も、販売も、雑多に並んでいるケースがあり、そのため、適切な人に目をとめてもらうのはなかなか難しい。そんな状況では、その分野に興味のある人が運良く通りかかっても、全く気づいてもらえないこともありえます。


最初のステップとして、何をしている企業/事業者(ブース)なのか、大きな文字で壁面などに掲示するようにしましょう。


差別化や特徴をうたう以前に、「あなたが何者であるか」「何の商品/サービスを扱っているか」または「このブースでは何を提供しているか」を明らかにしておく訳です。


同じ業界の企業が出展し、目的を持って来場者が集まる展示会とは少し考え方を変えた方が良いでしょう。


正面の壁のほか、展示台の前も利用できます。また、社名や屋号だけで業種がわからない場合は要注意。例えば「レスカルゴデザインオフィス」ならデザイン関連の業種だと名前だけで判別できますが、一目で内容が想像できない場合は、主催者側が用意してくれるパンフレットやサイトの説明文でも、しっかりわかるようにしておきます。


ブースの一番上に入る社名板の展示名を変更したり、言葉を追加できる場合もあります。わかりにくい社名(屋号)なら、業種やサービスがわかる言葉を合わせて入れてもらうと良いと思います。もちろん主催者の判断によりますが、ローカルな見本市の場合は比較的臨機応変に対応してくれる印象があります。


2. 目の前の一番大きなスペースを埋める


ローカルな見本市・展示会でありがちなのが、白っぽいスッキリしすぎのブース。


正面の壁面が大きくあいていると、寂しい印象でそれだけで見劣りしてしまいます。白いだけのスペースはとにかくなんとかしましょう。


立派なパネルやポスターを貼らなくても、手づくりっぽく、プリンターで出力した大きな文字を並べてサービス内容を掲示したり、小さめの自前のポスターやチラシをたくさん貼ったりしても良いと思います。


最近はポスターなどの出力も安くなってきていますので、近くの印刷会社などに相談してみるのもオススメです。


普段お店や自社の展示スペースで使用しているものがあれば、それを持ってきて利用するという手もあります。


3. 展示台の上は立体的に


展示台は少し立体的に見せると、歩きながら目に留まりやすくなります。額に入れた表示や段ボールなどで裏打ちした説明のプリントを立てかけてみるなど、工作気分で工夫してみたらどうでしょうか。


商品は展示台の上に小さな台を置いて高さを出したり、崩れないようにして少し積み上げたりしてみても良いと思います。市販のアクリルのケースに入れてみるのも見栄えも良くなりオススメです。


4. 来場者層の把握はしっかり


地域によって来場者層も偏りがあるかもしれません。また、会場や開催の曜日によっては来場者がほとんどファミリー層だったり、高齢者層が多かったりすることもあるでしょう。


BtoCのブースであれば問題ないですが、BtoBの場合は注意が必要です。


以前あるローカルな見本市に出展した時に目撃したケース。隣にはBtoBのビジネスを展開している企業ブースの体験コーナーがあったのですが、それがとても良くできていて、科学館のような、つい体験してみたくなるものでした。ところが面白そうなのが逆に災いして、終始、社会科見学の子どもたちで埋め尽くされてしまっていました。


子どもが引き寄せられるブースでも、ファミリーであれば一緒に親御さんも見てくれたりするので良いのですが、子どもだけのグループで占拠されてしまうとビジネス客は入りにくくなってしまいます。だからといってまさか追い返すわけにもいかず、出展者の方々も少々諦めムードになっていました。


想定内であれば良いのですが、商談を目的としていた場合、本来のターゲットには避けられてしまうかもしれません。できたら事前に調べて、展示内容や目的を考えると良いと思います。


レスカルゴの場合


多くのデザイナーと同様に、レスカルゴでは企業の方や個人事業主の方からのデザインや制作のご依頼がほとんどです。


ですからファミリー層が多いとわかっている地元の見本市ではあまり気張らず、地域の方や他のブースの方たちとの交流や様々なリサーチ、普段前面に出していないグッズなどの展示(販売)をお祭り気分で楽しみながら、ということを目的としています。


普段、展示会用のパネルやパンフレットをご依頼いただくことも多いので、まったく仕事に結びつかないこともありません。自ら展示経験があれば気づくこともあり、デザインの範囲を超えてアドバイスさせていただくこともあります。違うところで、しっかり役立っているのです。


参加の目的はそれぞれ設定できます。その場でなくても他での宣伝効果があったり、実績として示せることもあります。


そこで最後にもう一つだけアドバイスを。


次回の参考にもなり、販促材料に使えることもありますので、ブースをつくったら、展示台やブース内など、ぜひ写真に残しておきましょう。



※このコラムは、2019年10月31日掲載「マイベストプロ東京」藤原ユカコラムより加筆修正して移行しました。



 

レスカルゴデザインオフィス 藤原ユカはデザインや販促の専門家として専門家派遣事業に登録しています。業務案内やパンフレットをつくりたい、新商品のパッケージをつくりたい、ロゴを考えたいなどのほか、ご希望に応じて、複数のツールの使い分けやSNSの導入など、総合的なアドバイスも合わせてさせていただきます。通常のご依頼のほか、こちらもぜひご利用ください。

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